2025/01/15 14:09

LPレコードは、思っているよりタフですが、それでも傷にはやはり弱いですね。
ちょっとしたミスで、すぐ傷がついてしまいますし、中古レコードを購入すると、検盤したにもかかわらず傷がついていた...と言うこともしょっちゅうです。
そういう傷は周回ノイズになりますし、落ちにくい埃やごみが原因でスクラッチノイズがある場合もあります。
ノイズには、クリッピングノイズもありますが、これは波形のつぶれが問題ですので少々違います。
あらいぐま堂では、そのような傷がひどかったり、ひどいスクラッチノイズがあるレコードは廃棄していますが、もったいないですよね。
でも、そのような傷のあるレコードの音をパソコンに取り込んで修復することができます。
むろんレコードそのものを修復するわけではありませんが、貴重な音源や思い出深いレコードの音を、傷やスクラッチノイズを気にしないで聞くことができるようになります。
必要な機材は、レコードの音をパソコンに取り込むキャプチャー...すなわちDACの反対のADC(アナログ・デジタル・コンバーター)が必要です。
それと取り込んだ音を聞くためのDACですね。
オーディオキャプチャーは、amazonなどで探すと、色々出てきます。
例のURLを貼っておきます。あくまで例ですので、ご自分で探してください。
あらいぐま堂では、KORGと言う楽器メーカーの、DS-DAC-10Rを使っています。これはADCとDAC、両方とも1台に入っていますし、現在のところ、音的にも機能的にもOKです。
上位機種に「NU 1」と言うのもあります。ちょっと値段が高いですが(^^;。
機材が揃うと、さらにそれを取り込むソフトウェアが必要ですね。
あらいぐま堂は、KORGのAUDEO GATE 4と、AUDACITYと言うフリーソフトを使っています。取り込みはサンプリングレートやビット数によって、取り込める時間が異なりますので、32bit192KHzと言うのはいいのは分かっていますが、クラシックのような長い音楽の場合には不向きですし、ストレージ内に占めるファイルサイズも大きくなります。
CDと同じであれば、16bit44.1KHzで十分です。
DSDでも取り込めますが、取り込める時間が短く、なによりDSDファイルを直接編集できるソフトウェアを持っていませんので、PCMで取り込みます。
AUDEO GATE 4でWAV(直接編集できるのがWAVです)で音をパソコンに取りみ、AUDACITYで編集します。例えば取り込んだトラックごとの分割や、その他いろいろなことができます。今回はピチパチノイズの除去です。
ADCでパソコンに取り込んだ楽曲をAUDACITYで見ると、こんな感じです。
でも、なんだか自然な流れの波の上に棒が突っ立っているように見える箇所がありますね。
これがスクラッチノイズです。
そのスクラッチノイズの個所を、+でどんどん拡大してやります。
これでは、「修復エフェクトは、損傷したオーディオで他の非常に短い範囲(128サンプルまで)に対してです。拡大して、修復する短い範囲を選択してください」と、AUDACITYに怒られてしまいます。
突っ立っていた棒が波に見えるこのくらいまで拡大してやります。
上のメニューで「エフェクト」を選択、「ノイズ除去と修復」がありますので、ノイズになっている波の部分を選択して「修復」を選んでクリックします。
ノイズになる箇所がなくなりました。
1か所だけなら1回の作業で終わりですが、周回ノイズは、その個所を何回も探しては拡大、退治てゆくという面倒な作業になります。その他にも、ノイズが修復できそうなコマンドがありますが、このアナログともいえる方法が最も効果が高いようです。
人間の耳には判別できないほどの非常に短い時間での修復ですので、聞いて違和感は全くありません。
終わったら、「ファイル」から「オーディオをエクスポート」を選んで、修復したオーディオファイルをお好きな保存形式で保存してやります。
後はパソコンから音を聞くもよし、CD-Rなどを作成することも可能です(その場合楽曲のファイルは.cdaになります)。
たまたま、今出品中のパウル・クレツキ指揮のレコードでCD-Rを作成してありますので、中古LPレコードとオプションをご購入していただくと、どう変わっているのか、比較してお聞きになることが可能です(^^)。
でも、あまりそういう修復作業をやりすぎると、何をやっているのか分からなくなり、元のLPレコードの音を損なうこともありますので、ほどほどに...と言うところでしょうか(^^;;;;。