2025/05/06 13:52

マーラーが続きますが、CDでテンシュテットによる交響曲第2番「復活」のライヴ録音。
この録音はまだ正規に発売をされておらず、海賊盤しかリリースされていないのは残念ですが、テンシュテットの1980年9月26日NDRハンブルク北ドイツ放送交響楽団(現エルプ・フィルハーモニー管弦楽団)とのライヴ録音です。
実は、この録音、NHK-FMで放送されたことがあり、知人にその時のエアチェックを聞かせてもらったことがあります。
むろん、海賊レーベルFIRST CLASSICSがその放送用録音を使ったのかどうかは分かりませんが、音もよく「これ、正規で出たら確実に「復活」の名盤地図が変わるな」と思いました。
今でもそう思っています。
FIRST CLASSICSの後はCD-RでLUCKY BALL、ライヴ録音を主にリリースているMEMORIES(イタリア本家のMEMORIESにジャケットデザインなどは合わせてありますが、別の会社と言うか組織からのリリースです)からリリースされたことがあります。
さて、その後はどうなったか...。
この「復活」は凄いです。
第1楽章冒頭から、比較的ゆっくりとしたテンポながら、ものすごい緊張感を孕んでいます。
その緊張感が第5楽章最後まで持続してしまうという、奇跡のような録音です。
第2楽章でライヴ録音特有のあれれ...なところはありますが(^^;;;;。
最終楽章の凄まじさは、もう聞き入るしかありません。
長さを全く感じさせないほど、畳み込むような音のドラマが進行します。
テンシュテットの出世作はブルックナー:交響曲第8番で、マーラーはEMIへの録音が始まると同時に、その解釈を深めていったというところがありますが、ここでのテンシュテットは1980年に到達したであろう、相当の高みにある演奏を実現させています。
この後、テンシュテットの「復活」はEMIへのセッション録音やライヴ録音を含め、いくつかリリースされましたが、やはり演奏は少し変化しています。
元気いっぱいだった頃のテンシュテットの覇気がオーケストラ、合唱、独唱者の隅々にまで浸透し、ものすごい演奏を繰り広げてゆきます。
「椅子縛りのCD&LP」と言う言葉は、まさにこの録音にふさわしいと思えます。
NHK-FMでは解説者の言葉まで入っていたのですが「凄い演奏です」と言っていたのが印象的でした。
これを聞いて「ああ、終わった」とすぐに椅子から立てる人は、マーラーなんて縁のない人なんでしょうね、たぶん(^^;。