2025/05/10 07:41
小生はその昔、管弦楽作品を聞くのに忙しく、あまりピアノの独奏曲は聞いていませんでした。
ひとつには、オーケストラは大人数で演奏されるのに対し、ピアノは基本的に一人ですので(4手の作品はありますが)、なんだか個人技を聞かされているようであまり関心がわかなかったということ、バッハからベートーヴェン辺りの古典派と呼ばれる少し古めのピアノ曲は聞きましたが、シューベルト以降のロマン派のピアノ曲にはなかなか馴染めなかったことがありますでしょうか。
特にショパンはかなりの苦手で、ブルジョワの嗜み(本当は違いましたが)と勘違いで思えてしまって、全然聞いていませんでした。
それがコロリと変わったのは、CD時代になってクラウディオ・アラウの弾くショパン:夜想曲全集を聞いてからのような記憶があります。
その前にフー・ツォンの夜想曲全集はLPで持っていたのですが、アラウの深々としたピアノの音に、ショパンの魅力に初めて気が付いたようなところがあります。
それから、いろいろなピアニストでショパンの録音を集め始めたのですが、その中にチェコのピアニスト、イヴァン・モラヴェッツのCDがありました。
特に、やはり夜想曲全集が素晴らしく、モラヴェッツはまずCDで色々集めました。
今も棚にモラヴェッツ・コーナーと呼べるほどのCDがあります。
ところが、LPレコードの魅力に回帰してしまってから、中古レコードショップで、「ショパン・リサイタル」と題されたモラヴェッツのLPを発見、国内盤ですので最初は買わずにいたのですが、1か月ほど売れ残っていて、「じゃ、おいらが買おう」と購入したのでした。
国内盤の帯に「完璧な技巧 驚異の録音!!」と大書してあり、「また大げさな」と思いながらレコードに針を落としてみると...第1曲目に入っている「舟歌」から痺れました。
その演奏、録音とも凄いではないですか!
「完璧な技巧 驚異の録音!!」があながち嘘ではなかった、と思える演奏録音です。
レーベルはコニサー(Connoisseur Society)でその録音には定評がありましたが、小生は未聴でした。
LPの両面を聞き、また聞きたくなってレコードをひっくり返して最初から再度聞いてしまいました。
今から半世紀以上前の録音です。
でも、その音は素晴らしく、またモラヴェッツの情感が豊かで確信に満ちた響きの虜になりました。
以来、モラヴェッツのLPレコードを中古で見つけるたびに、輸入盤、国内盤を問わず漁っています。
少し集め過ぎたかな...と言う感じが(^^;;;;。
